彼女が入社して、新しい年度になって、4カ月が経とうとしていたころです。
セミが騒々しく鳴く、暑い、夏の日の事でした。
日本中で大雨の日が続く中、体育館に開かれた避難所で、見張り役をすることになったのです。
見張り役と言っても、その日は雨は降っていません。
「念のため」に用意されたその会場。
晴れた空に、爽やかな風。
当時の写真が私のインスタにありました。

その日、あやこと2人の勤務になることを知ったのは、仕事開始の2時間前でした。
上司から、急遽勤務して欲しいと電話があり、車で向かったのです。
それまでの私は、あやことはほぼほぼ、話をしたことがなかったのです。
(どんな子なのだろ)
(サホから話を聞いてきた感じでは、めんどうそうな子だけど)
むしろ、あやこの方が、私に対して不信感をいだいているかもしれません。
なぜなら、指導を受けているサホ先輩と私、かなり仲が良かったのです。
あやこにとっては、苦手な人と仲の良い私が、少し怖かったのではないでしょうか。
実際に現場で、会った彼女は少しおびえているように見えました。
私「少しの時間だけど、よろしくね。まぁ、のんびりいこう」
そういって、それぞれ思い思いの場所で、好きに過ごすことにしたのです。